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「看護管理」実践Guide

看護管理者のための医療経営学 第3版 NEW

働き方改革と医療機関の健康経営

  • 尾形裕也 著
  • B5 180ページ (判型/ページ数)
  • 2021年07月発行
  • 978-4-8180-2347-5
本体価格(税抜): ¥2,700
定価(税込): ¥2,970
在庫: 有り
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医療制度・施設経営に関する基礎知識を、看護管理者に焦点を当てて解説したコンパクトな入門書です!

本書は、看護管理者のために、医療制度と経営理論の基礎知識をわかりやすく解説するものです。さらに、ケーススタディの解説を通して、具体的な病院経営戦略の立て方・組織マネジメントに関するヒントを示します。

第3版では、近年の医療制度改革の動向、特に医療従事者の働き方改革や看護業務の効率化、医療機関における健康経営といった事項を中心に、大幅な加筆がなされています。

自学自習を助ける「試験問題」「参考資料・文献解題」「Glossary(基本用語集)」も収載した充実の一冊です。


第1部 看護管理者と医療経営学
  第1項 なぜ看護管理者に医療経営学の知識が求められるのか
  第2項 本書の活用方法
  参 考 「ロジカルシンキング」の勧め
    簡単な例題
    Box1-1 フェルマーの最終定理
    「簡単な例題」の答

第2部 医療経営学講座
 第1章 医療経営学入門
  第1項 医療をめぐるステークホルダーの構図および医療経営学の守備範囲
   1.医療をめぐるステークホルダーの構図
   2.医療経営学の守備範囲
  第2項 社会保障制度の概略と医療の位置づけ
   1.社会保障の範囲
    Box2-1 保険とは
   2.社会保障の規模:社会保障給付費
    Box2-2 国民医療費と社会保障給付費の「医療」
   3.日本の医療保険制度の歴史
   4.医療制度の国際比較
  第3項 近年の医療制度改革の動向
   1.医療制度改革の動向(1997~2003年)
   2.2006年の医療制度構造改革
   3.その後の制度改革の動向(2008~2020年)
    Box2-3 4つの医療機能
  第4項 医療サービスに対する需要
     医療保険制度,診療報酬制度
   1.医療保険制度の概要
   2.診療報酬制度の基礎知識
  第5項 医療サービスの供給
     医療提供体制
   1.日本の医療提供体制の特色
    Box2-4 医療計画における病床規制
   2.医療提供体制改革の方向
 第2章 経営戦略論と医療分野への応用
  第1項 経営戦略論(1)
     戦略と戦術,ミッション・ビジョン・ストラテジー
   1.戦略と戦術
    Box2-5 クラウゼヴィッツの『戦争論』
   2.戦略・戦術論の事例
   3.ミッション・ビジョン・ストラテジー
  第2項 経営戦略論(2)
     現代の経営戦略論と医療機関経営
   1.競争戦略論:ポーターの「ポジショニング論」
    Box2-6 M・E・ポーター教授
   2.差別化戦略
   3.プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント
  第3項 医療機関経営戦略論(1)
     医療機関の経営環境と医療機関のポジショニング論
   1.医療機関の経営環境
   2.急性期医療,慢性期医療のポジショニング
  第4項 医療機関経営戦略論(2)
     医療機関経営戦略に関するケーススタディ①
   1.医療機関経営に関するケーススタディ
   2.急性期医療に対応したポジショニングの事例
    Check 演習問題にチャレンジ!
  第5項 医療機関経営戦略論(3)
     医療機関経営戦略に関するケーススタディ②
 第3章 経営組織論と医療分野への応用
  第1項 経営組織論,組織類型論,規模の経済・範囲の経済
   1.経営組織の基礎理論
   2.組織類型論
   3.規模の経済,範囲の経済
  第2項 医療機関経営組織論(1)
     医療機関経営組織の特徴および現状
   1.医療機関経営組織の特徴
   2.わが国における医療機関経営組織の現状
  第3項 医療機関経営組織論(2)
     医療法人制度,地域医療連携推進法人,保険者機能,マネジドケア
   1.医療法人制度と医療法人のガバナンスの改革
   2.地域医療連携推進法人
   3.保険者機能
   4.マネジドケア
    Box2-7 4種類のマネジドケアの相違
 第4章 医療機関の経営をめぐる新たな動向 働き方改革と健康経営
  第1項 医療従事者の働き方改革
   1.「働き方改革」の概要
   2.医師の働き方改革
   3.看護職員の働き方改革
    Box2-8 看護業務の効率化先進事例収集・周知事業
        (看護業務の効率化先進事例アワード)
   4.医師の働き方改革等に関する医療法改正
  第2項 健康経営の目指すもの
   1.健康経営とは何か
   2.人口減少社会と健康経営
   3.日本における健康経営の動向
   4.医療機関における健康経営
    Box2-9 「コロナ禍」と医療提供体制のあり方

第3部 医療経営学講座のまとめ
  第1項 今後の展望:看護への期待
  第2項 試験問題と解答(例)および解説
   試験問題
   解答(例)および解説
  第3項 参考資料・文献解題
   1.経営学全般
   2.医療経営論
   3.その他
  第4項 Glossary(基本用語集)
  本書執筆の参考文献


はじめに

 本書の表題は、『看護管理者のための医療経営学』である。そこには少なくとも(筆者の側からは)次のような2 つの意味が込められている。
 まず、第1 に、本書は一般的な医療経営学のテキストではなく、あくまでも看護職を念頭においた著作であるということだ。このことは、本書の初版が、日本看護協会出版会の『看護』誌に1 年間(2008 年4 月号〜2009 年3 月号)にわたって連載された記事に基づき、基本的にその修正・増補版であるという出自からも明らかであると言えよう。医療経営学ないしは医療経営論に関する著作は数多いが、看護職を主たる読者として想定したものはまだそれほど見られないように思われる(注1)。そういった意味では、看護職をターゲットとしているということは、本書の1 つの「セールス・ポイント」である。
 第2 に、注意深い読者の方はすでにお気づきかもしれないが、本書の表題と『看護』誌に連載していた当時の記事の表題とは微妙に異なっている。『看護』誌のほうの連載表題は、実は、「看護職のための医療経営学講座」となっていた。このうち、「講座」を省いたのは、テキストの表題としては「やや硬い」という編集者の方の意見に従ったもので、他意はない(ちなみに、私自身は今や「古い世代」に属するので、「講座○○○」とか「○○○講座」とか聞くと、本格的なテキスト・シリーズを思い浮かべてしまうところがある。これは当世風の感覚から見れば、やはり「硬い」ということなのだろうと納得した次第である)。
 一方、「看護職」を「看護管理者」に変更したことについては、それなりに「戦略」的な意図が込められている。本書は広く看護職全般、さらにはその他の医療関係者や国民一般の方々にもお読みいただきたいことはもちろんであるが、まず何よりも現職の看護管理者(およびその予備軍)の方々を主たる読者層として想定している。本書第1部第1 項等において詳しく述べているように、わが国の医療は現在大きな転換点にさしかかっており、そうした中で、看護管理者に期待されている役割にはきわめて大きなものがある。看護職は医療機関における最大の専門職集団であり、個々の医療機関の経営、さらには日本の医療全体の成否に関する鍵を握る存在であると言っても過言ではない。そして、こうした看護職集団を束ねる看護管理者が果たすべき役割の重要性については、いくら強調しても強調しすぎることはないだろう。
 本書は、こうした事実を意識しながら、大きな医療改革の流れを踏まえつつ、医療機関等の経営に取り組んでいこうとしている看護管理者の方々のためのテキストたることを目指した。その意図が実際にどこまで達成されているかについては、読者の方々の評価に俟つしかない。筆者としては、多くの方々に本書が読まれ、日本の医療を少しでもよくする方向への一助ともなれば、望外の喜びである。
 今回、第3 版を刊行するにあたっては、データ等を更新するのみならず、近年の医療制度改革の動向、特に医療従事者の働き方改革や看護業務の効率化、医療機関における健康経営といった事項を中心に大幅に加筆を行った。これによって、2021 年時点における医療機関の経営をめぐる基本的な事項は網羅できたものと考えている。
 最後になったが、本書が何とか形を整えることができたことについては、多くの方々のご協力と励ましがあった。もとより、本書の内容に関しては、ひとえに筆者の責任であることは言うまでもない。ここでお世話になった方々のお名前を列挙することは差し控えるが、日本看護協会出版会のお2 人のお名前と、ケーススタディ(事例研究)でお世話になった方のお名前だけを、代表として挙げさせていただきたい。
 青野昌幸氏には、『看護』誌連載にあたってたいへんお世話になった。そもそもこの連載のアイディアは青野氏との雑談の中から生まれたものであった。1 年間何とか連載を書き続けることができたのも、ひとえに同氏の励ましによるものである。そういった意味で、同氏は本書の「生みの親」の1 人であると言ってもよいだろう。
 戸田千代氏には、第1 版から第3 版まで、本書執筆にあたって、全面的にお世話になった。連載の骨格は維持しつつも、大幅な加筆修正によって全く面目を一新した内容になっているのは、戸田氏のアイディアによるところが大きい。また、遅筆の筆者を叱咤激励(?)し、何とか完成にまでこぎつかせた編集者としての手腕は瞠目すべきものであると思われる(!)。
 故岩永勝義氏には、急性期病院の経営(運営)のあり方から、そもそも(日本の)医療のあるべき姿、さらには組織のリーダーのあり方に至るまで、あらゆる問題についてご教示をたまわっている。岩永元院長は、筆者にとって、まさに「導きの糸」であり、医療問題を考える際の「拠り所」であった。熊本中央病院の事例の掲載についてもご快諾をいただき、改めて感謝申し上げたい。2016 年2 月に急逝され、もうあの謦咳に接することができないかと思うと、本当に残念でたまらない。コロナ禍の中、日本の医療も現在さまざまな困難な問題に直面しているが、岩永先生であったら、どう語られただろうか、あるいはどのように叱咤激励されただろうかと、いつも心の中で思い返している。微力ながら、岩永先生から受け止めたバトンを次の世代に引き継いでいくことが自分の使命であると考えている。心よりご冥福をお祈りしたい。

2021 年5 月
尾形裕也

(注1) 隣接する看護職のための経営・経済論に関しては、例えば、金井Pak 雅子編集(2021)『看護管理学習テキスト 第3 版 第5 巻:経営資源管理論(2021 年版)』(日本看護協会出版会)、尾形裕也・田村やよひ編著(2002)『看護経済学』(法研)等がある。

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